その5『不滅のクーラウ』を訪ねて
第1回クーラウ詣りツアー(1996年6月19日~7月1日)
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コンサート・イン・デンマーク記
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クーラウ詣りツアー(その5) 石原 利矩 温かく迎えられたリュンビューでのコンサート プログラムは以下の通りである。このツアーの主題はクーラウであった。クーラウの曲が中心になったのは言うまでもない。当日の司会役をトーケ・ルン・クリスチャンセン氏が引き受けてくれた。 1. 日本童謡「あんたがたどこさ」の主題による変奏曲 2. 四重奏 作品103 第1楽章 3. 「ルル」ファンタジー 4. 三重奏 作品90 第1楽章 5. 「ルル」組曲より 6. スケルツォ 作品122 第3楽章 7. 二重奏 作品102 第2楽章 8. 『妖精の丘』よりバレー音楽 9. 日本民謡メドレー このコンサートは入場料は無料であった。リュンビュー図書館の館長さんは以前私がデンマークを訪ねるたびにお目にかかっていた女性だ。彼女はクリスチャンセン氏と共にこのコンサートを押し進める役割を果たしてくれて、演奏会のポスターも作ってくれていた。このポスターはコペンハーゲン市内の音楽史博物館にも掲示されていた。150人位の聴衆が我々の演奏を聴きにきてくれた。勿論ブスク氏夫妻一家も聴きに来てくれていた。この演奏会はリュンビュー放送局が録音をし、後日オンエヤーされた。私は最後の曲、日本民謡メドレーの直前に黒服の下に祭り囃子の法被を誰にも悟られないように着用した。ステージに出る間際に黒服を脱いだ。演奏者からも客席からもびっくりした声があがった。この法被はブスクさんの気に入ったようなので演奏会終演後、彼にプレゼントした。 クーラウの筆写譜と感動の対面 ダン・フォグ氏の古楽譜専門店は宝の山 そのお返しにと言うわけでないが古楽譜を買うことになった。ダン・フォグ氏が奧の棚から出してくれた楽譜をめくっていく内に皆の顔がだんだん真剣になっていった。 出版をするのは今や私の義務となった。 (著者注:手書き譜のコピーから印刷用楽譜に直したもの) ツアー御一行様大道芸初体験 ツアーの間にメンバーから大道芸をしてみたいと言う声が起きた。全員大道芸は初めての経験である。これからもそんな経験は出来ないかも知れないと言う思いで大道芸をすることに決めた。しかし、やりたいからと言って道路で楽器を出して演奏すればすぐ警察が取締にやってくる。事前に警察と自治体の2つの許可を得なければならない。この日の二、三日前に許可が下りたのだが、当局が指定した日と時間帯とがツアーの予定と重なり泣く泣く諦めたのだった。そして再度の申請でやっと手に入れた場所と時間帯である。これを逃す手はない。是非ともコペンハーゲンの町にフルート・アンサンブルの響きを残して帰りたい。4日前にリュンビューの演奏会は終わっていた。気持ちも解放されたところだった。 |
クーラウ詣りツアー(その5) 石原 利矩 温かく迎えられたリュンビューでのコンサート プログラムは以下の通りである。このツアーの主題はクーラウであった。クーラウの曲が中心になったのは言うまでもない。当日の司会役をトーケ・ルン・クリスチャンセン氏が引き受けてくれた。 1. 日本童謡「あんたがたどこさ」の主題による変奏曲 2. 四重奏 作品103 第1楽章 3. 「ルル」ファンタジー 4. 三重奏 作品90 第1楽章 5. 「ルル」組曲より 6. スケルツォ 作品122 第3楽章 7. 二重奏 作品102 第2楽章 8. 『妖精の丘』よりバレー音楽 9. 日本民謡メドレー このコンサートは入場料は無料であった。リュンビュー図書館の館長さんは以前私がデンマークを訪ねるたびにお目にかかっていた女性だ。彼女はクリスチャンセン氏と共にこのコンサートを押し進める役割を果たしてくれて、演奏会のポスターも作ってくれていた。このポスターはコペンハーゲン市内の音楽史博物館にも掲示されていた。150人位の聴衆が我々の演奏を聴きにきてくれた。勿論ブスク氏夫妻一家も聴きに来てくれていた。この演奏会はリュンビュー放送局が録音をし、後日オンエヤーされた。私は最後の曲、日本民謡メドレーの直前に黒服の下に祭り囃子の法被を誰にも悟られないように着用した。ステージに出る間際に黒服を脱いだ。演奏者からも客席からもびっくりした声があがった。この法被はブスクさんの気に入ったようなので演奏会終演後、彼にプレゼントした。 クーラウの筆写譜と感動の対面 ダン・フォグ氏の古楽譜専門店は宝の山 そのお返しにと言うわけでないが古楽譜を買うことになった。ダン・フォグ氏が奧の棚から出してくれた楽譜をめくっていく内に皆の顔がだんだん真剣になっていった。 出版をするのは今や私の義務となった。 (著者注:手書き譜のコピーから印刷用楽譜に直したもの) ツアー御一行様大道芸初体験 ツアーの間にメンバーから大道芸をしてみたいと言う声が起きた。全員大道芸は初めての経験である。これからもそんな経験は出来ないかも知れないと言う思いで大道芸をすることに決めた。しかし、やりたいからと言って道路で楽器を出して演奏すればすぐ警察が取締にやってくる。事前に警察と自治体の2つの許可を得なければならない。この日の二、三日前に許可が下りたのだが、当局が指定した日と時間帯とがツアーの予定と重なり泣く泣く諦めたのだった。そして再度の申請でやっと手に入れた場所と時間帯である。これを逃す手はない。是非ともコペンハーゲンの町にフルート・アンサンブルの響きを残して帰りたい。4日前にリュンビューの演奏会は終わっていた。気持ちも解放されたところだった。
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