第2回クーラウ詣りツアー(3)

『ゴールデンデイズ・フェスティヴァル』(1998.9.4~20)

第二回クーラウ詣りツアー(1998年9月4日~9月22日)

ゴールデンデイズ・フェスティヴァルの冊子の中表紙のイラストより

 

その1

その2

その3

その4

その5

その6

ツアー参加者の声


第二回クーラウ詣りツアー(その3)

 このツアーの最大の目的であるトーヴァルセン美術館ホールにおけるコンサートについて述べてみよう。プログラムは黄金時代にふさわしい作品とロマン派時代のライネッケと現代のテューボ氏の作品をとりいれた。いずれもデンマークに関係する作曲家ばかりである。このコンサートの入場券は一般に発売されたものだった。演奏会の司会・解説はブスク氏が取りはからってくれることになった。

9/15 青山フルートインスティテュート トーヴァルセン美術館ホール 

プログラム

クーラウ(編曲&指揮:石原利矩)

『妖精の丘』序曲

青山フルートインスティテュート

テューボ

フルート・カルテット

河野洋子、熊沢弥緒、田代あい、永見恵子

フローリッヒ

フルート・ソナタ

石原利矩、小埜寺美樹

クーラウ-石原利矩(指揮:石原利矩)

クーラウイアーナ(カラドアクスティコン)

青山フルートインスティテュート

ライネッケ

フルート・ソナタ

トムセン嬢、小埜寺美樹

クリスチャンセン

与えられた主題による即興演奏

クリスチャンセン

クーラウ(編曲&指揮:クリスチャンセン)

『妖精の丘』よりバレー音楽

青山フルートインスティテュート

 *『妖精の丘』序曲とバレー音楽はすでに一年前の浜離宮朝日ホールで演奏した経験があるが、全てのツアー参加者がその演奏会に加わっていたわけではない。パートもそれぞれ新しく決めなければならなかった。

 *テューボ氏は現代のデンマークの作曲家、クリスチャン氏と知り合いの関係だ。フルート・カルテットは第一回目のときコンセルヴァトリウムでの演奏会で演奏したことがあった。しかし、その時のメンバーは今回は参加していない。新しい組み合わせで行われた。

 *フローリッヒはクーラウの弟子でクーラウとは少なからず関係がある作曲家である。そのフルート・ソナタは未出版である。王立図書館所蔵のクリスチャン氏から送られた手稿のコピーをパソコンで楽譜を作成した。殆ど知られていない作品であるが今世紀初めての再演の役目が私にまわってきた。二楽章形式の佳作である。

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最も苦労したものがクーラウイアーナだった。次のページで紹介しよう。

*ライネッケの「ウンディーヌ」ソナタを演奏したトムセン嬢はコンセルヴァトリウムでクリスチャンセン氏に師事し、すでに卒業をしプロとして活躍していた人である。テクニックと音楽性はすでに完成されていて説得力のある演奏をしてこのコンサートに彩りを添えてくれた。ライネッケはその生涯の内4年間王立劇場の作曲家として活動した。

*クリスチャンセン氏の「与えられたテーマによる即興演奏」
 音楽会当日ゲネプロのときクリスチャンセン氏は我々に紙をくばり何か楽譜を書くようにと指示を与えた。全員思い思いのメロディ楽譜を書き提出した。果たして何が起こるのだろう。これも先のページで紹介しよう。


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