IFKS第4回定期演奏会・『盗賊の城』あらすじ
オペラ『盗賊の城』あらすじ "盗賊"度診断付き
この物語を理解するのが難しいことはまず人名が多いこと。登場人物のウインドウを開いたままお読み頂くと判りやすいかも知れません。
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あらすじ
中世フランスのトルバドールの時代(12、3世紀)の物語。
第1幕
騎士アイマールは戦地から領地の城に帰る途中従者達と離ればなれになり、道を見失ってしまいました。一人森の中をさまよっていると激しい嵐に見舞われます。
No.1 アリア
何という恐ろしい雷鳴よ!(アイマールのアリア)
「アイマールが森の中で道に迷い味方の軍勢の仲間の名前を大声で呼ばわります。さてその名前は?」
やっと嵐がおさまると角笛の音が聞こえてきます。近づいてみるとそれは一人の狩人が吹く角笛でした。男は盗賊の一味のカミロでした。そうとは知らずにアイマールは道に迷っている事を告げ一晩の宿をカミロに所望します。実はカミロは不貞の妻を殺害したことで故郷を追われ、今は盗賊の親方(ロシュルー)に拾われロシュルーに忠誠を誓っている立場でした。しかし、彼はずっと妻殺しの罪に良心をさいなまれていました。
No.2 アリア
森の暗き影の中で(カミロの角笛とアリア)
盗賊度診断・その2
「カミロは何人ですか?」
カミロがアイマールを城に導けば彼は盗賊達に殺されることは必定です。ここでもまた良心との葛藤があるのです。しかし、アイマールの強い要請によりついには盗賊の城に導くことになってしまいました。
No.3 デュエット
急げ、狩人よ!(アイマールとカミロの二重唱)
盗賊度診断・その3
「カミロが盗賊の城に向かって吹いた角笛の合図は何回でしょうか」
場面は変わりここはアデライーデの住む城の庭
アデライーデと女友達テレーセはお互いの恋人達の身を案じ帰りを待っています。
[アデライーデとアイマール、テレーセとリシャール
(元帥アルマリクの従者)とは恋仲です]
No.4 ロマンス
ルイ王は味方の軍勢を引き連れ(アデライーデとテレーセの二重唱)
盗賊度診断・その4
「アデライデとテレーサは何歳ですか」
アデライーデの父親、ベルナールは娘と元帥との結婚を進めています。元帥は狩猟の時に先妻を事故で失い妻となる女性を求めています。今日は元帥がアデライーデに会いにやってくる日です。
No.5 リート
結婚式で我が妻は泣いた(ベルナールの独唱)
盗賊度診断・その5
「ベルナールの妻はアデライデが何歳の時亡くなったのでしょう」
Nr.6 五重唱「美しいその目には・・・」
(アマルリク元帥、リシャール、ベルナール、アデライデ、テレーセ)
五人がそれぞれ胸の内を歌う五重唱
元帥アマルリクは狩りの最中に奥方ユリアーネを事故で失いました。今、再婚の相手としてアデライデに求婚しているのです。リシャールとテレーセは愛し合っていることを周りにひた隠しています。テレーセは騎士リシャールとの身分違いを気にしています。
♪アマルリクはアデライデを花嫁に迎えようと・・・♪
♪ベルナールは娘アデライデを元帥に押しつけようと・・・♪
♪アデライデは結婚話から逃れようと・・・♪
♪リシャールはテレーセのことで頭が一杯?。?。?。♪
♪テレーセはリシャールのことで頭が一杯?。?。?。♪
盗賊度診断・その6
狩りの時、行方不明になって死んだと思われた奥方ユリアーネは、実はその時、盗賊に誘拐されたのでした。今は盗賊の城に囚われています。囚われてといっても牢屋に入れられているわけではありません。盗賊と一緒に生活しているのです。何故でしょうか?
アデライデは父親からも元帥からも結婚を迫られ絶望しています。
盗賊の城に囚われているとは露知らず恋人アイマールに思いを馳せて嘆き訴えます。切々と歌うそのメロディは心にしみいります。
No.7 アリア
わたしの嘆きをあなたのもとへ(アデライデのレシタティーヴォとアリア)
盗賊度診断・その7
「そもそもアデライデはアイマールと何処で知り合い、恋仲になったのでしょうか」
悲嘆にくれているアデライデを救うには城から身を隠すしかありません。リシャールとテレーセの手引きでアデライデは逃亡を企てます。リシャールは元帥の鎧持ちです。いわば反逆です。ひとまずリシャールの父の城に行き、そこでアイマールと落ち合い結婚式をあげようということになります。行動に移る前に森の女神に導きを乞う歌を三人で歌います。
No.8 フィナーレ
森の女神様、暗い夜道を(アデライデ、リシャール、テレーセの三重唱)
盗賊度診断・その8
上の曲の4小節目と12小節目と20小節目に1、2、3の番号があります。これは何を意味するのでしょうか?
三人が退場すると花かごと松明(たいまつ)を手にした大勢の男女の羊飼いとともにベルナールと元帥アマルリクがやってきます。ここで牧歌風な自然への賛歌「
谷間の小鳥は 愛の歌うたう
甘くやさしく。春の花々は皆あなたのもの、山の乙女よ、山の乙女よ・・・」の合唱が歌われます。こうして羊飼いたちが集まったのはベルナールが皆を招待して結婚の前祝いをしようと考えたのでした。
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人々が楽しく集っていると突然、角笛の音が聞こえてきます。人々は敵の襲来だと慌てます。アマルリクの家来達は武器の用意をさせますが、これは三人の逃亡を知らせる合図でした。
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ベルナールも娘の逃亡に気づき、追跡の指示を与えます。
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盗賊度診断・その9
『盗賊の城』の初演は1814年5月26日、デンマークの王立劇場で行われました。その時に用いられた歌詞は何語だったでしょう。
第2幕
盗賊の城にある古いくずれかけたゴシック風の広間
テーブルには一本のローソク、
ユリアーネは心配そうに窓辺で耳を澄ましています。盗賊たちが狩りから帰ってくるのを伺っているのです。彼女は一人の騎士(アイマール)が盗賊の城に連れてこられたことを聞き知り、殺されることを案じています。今は盗賊のマルコルム、カミロ、賄い婦ビルギッテの三人が留守番をしているのです。守護神ユーディットに騎士を助ける力を自分に授けてくれるように祈る、力強い技巧的な曲です。
Nr.9 アリア(ユリアーネ)
盗賊度診断・その10
ユリアーネが盗賊の城につれてこられてからどのくらいの日数が経っているのでしょうか?
Nr.10 四重唱(オムレツカルテット)
この曲はオペラ『盗賊の城』の中で最も有名なものです。ブリギッテとマルコルムは共謀してアイマールに毒入りオムレツを食べさせ、眠り薬の入ったぶどう酒を飲ませようとします。しかし、カミロがわざとオムレツを床に落としたり、内緒でぶどう酒をすり替えたりしてそれを防ぎます。ブリギッテが早口で歌うPrestoの個所はとても印象的です。作者エーレンスレーヤーの論敵、バッゲセッン(同時代の文学者)が「たったオムレツのことで大騒ぎ」と批評したものです。
盗賊度診断・その11
ジプシー女ブリギッテは盗賊たちの召使いとしてこの城に住んでいます。以前はどんな生活をしていたのでしょうか。
生まれは伯爵家の令嬢。子供の時にジプシーさらわれジプシーの王と結婚後、転落の人生
Nr.11(五重唱)
ユリアーネ、ブリギッテ、アイマール、マルコルム、カミロ
アイマールに食事を勧めている間にブリギッテはユリアーネを連れてきます。カミロの粗相でオムレツ殺人が不首尾に終わったことを知ったブリギッテは不機嫌です。しかし、ぶどう酒さえ飲めばもう一つの殺し方があります。寝込んだところをマルコルムが剣でアイマールの心臓をグサッという考えです。ブリギッテ、マルコルム、カミロが「どうぞお休みなさい」とアイマールに寝室に行くことを勧め、ブリギッテはユリアーネにアイマールの身につけていた鎧をはずすよう命じます。ユリアーネは危険が迫っていることを暗示し、アイマールは疑心暗鬼になっている歌です。
盗賊度診断・その12
アイマールは自分が殺されようとしているとは全く気が付きませんでした。しかし、この五重唱を歌っている間に身の危険をあることで察知するです。そのあることとは何でしょう?
カミロが捨てたオムレツを犬が食べて泡を吹いて倒れたのを見た。
Nr.12 合唱を伴う盗賊の歌
人気のない夜の森の中、盗賊たちが今日の盗みの戦果を首領ロシュルーに報告しています。ここのやり取りは大変面白いのですが残念ながら曲の中には出てきません。これは舞台上の歌手たちによって語られた部分です。報告が終わり盗賊たちはぶどう酒を讃え、バッカスを讃える歌を歌います。このメロディは作品18、ピアノ曲のヴァリエーションの主題に用いられています。
盗賊度診断・その13
上のさし絵は『盗賊の城』のピアノスコア(P.W.Olsen社)に掲載されているものです。森の中のシーンなのにテーブルや椅子があるのは何故でしょうか?
原作に、・・・酒が出てきたら「即座にテーブルと長椅子が運び込まれ・・」とあるから。
森の中にある休憩所、そこにはもともとテーブルと椅子があった。
Nr.13 第2幕フィナーレ
アデライーデ、テレーセ、リシャールと合唱
盗賊たちが酒を酌み交わしているところへ逃亡中のアデライーデ、テレーセ、リシャールが連れてこられます。彼らは夜の森の中で迷い盗賊と鉢合わせしてしまったのです。美しい二人の乙女はバッカスの贈り物として盗賊たちは舌なめずり。リシャールは鎖でしばられています。盗賊たちの卑猥な喜びの歌に天に祈る三人の歌声がからみ第2幕が終わります。
盗賊度診断・その14
盗賊に捕まった三人の運命は?
リシャールはただちに処刑されアデライーデとテレーサは盗賊の城へ連れて行かれる。
リシャールとテレーサは釈放、アデライデだけが盗賊の城へ連れて行かれる。
第3幕
盗賊の城のアイマールの寝室
背後にカーテンのある寝台
アイマールが一人、迫り来る死の危険にどう立ち向かうかを思案しています。そこに忍び声でカミロがドアを開けるように叩きます。アイマールはカミロが自分を陥れた張本人であることに危惧を感じながらもドアを開けて中に通します。カミロは自ら犯した罪や、それに対して死で報いようとしているが勇気が出ないことを告白します。アイマールを助けることで彼がアデライデと結ばれた暁に二人の礼拝堂の番人にしてもらえないかと頼みます。アイマールはカミロの真意をくみ取り約束しカミロは退場します。
No.14 カミロのアリア「かなうものならば・・・」
この旋律は第1幕のカミロの吹く角笛のソロと同じもの。
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この旋律はあるオペラの中の旋律との類似性を指摘されているものです。クーラウの借用(モデルテクニック)の一つです。その元となったオペラとは?
一人になったアイマールは来し方を回顧し、目の前に迫った危険から自ら勇気を奮い立たせるためイエスに祈ります。
No.15 アイマールのアリア
「今、このとき主よ・・・」
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アイマールは幼少の時どんな境遇で成長したのでしょうか?
場面は変わり城の通路、アイマールの寝室の前
(ロウソクを持ったユリアーネ、鍵の束を持ったブリギッテ、短剣をを持ったマルコルム)
これから先はセリフでの見せ場です。アイマールを殺しに行くマルコルムとブリギッテ、それに従うユリアーネの会話はとてもうまくできています。殺人を犯そうとしている二人が内心恐れながら互いに揶揄したり、以前の城主の亡霊の話をしたり、勇気付けのためにお酒をあおいだり、・・・
アイマールの寝室
とうとうその時がやって来ました。ブリギッテはアイマールの部屋の鍵を開け中を覗きアイマールがぐっすり寝込んでいるものと安心して外に出ます。マルコルムは、ベッドに近づきます。しかし、アイマールはベッドの後のカーテンの影に隠れていたのでした。そうです。マルコルムは逆にアイマールの剣によって裁かれたのでした。と同時に外ではブリギッテの悲鳴が聞こえてきました。カミロがブリギッテを始末をしたのです。こうしてアイマールは死の危険から免れたのでした。
殺戮の後、気持ちの高揚したユリアーネ、アイマール、カミロの3人は聖母マリアに祈ります。
No.16 三重唱
「主の大軍、我らに今・・・」
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しかし、ホッとしたのも束の間、再び危険が襲ったのです。その危険とは?
第3幕
盗賊の城の中庭
(前方に地下室に通じる入り口、後方に鳩小屋、左右の側には建物と手すりのついた階段)
盗賊たちが帰ってきました。アデライデ、テレーセ、後ろ手に縛られたリシャールの三人を引き連れて。首領ロシュルーが歌い、盗賊たちの合唱が続きます。サルタレロ風の軽快なリズムと転調がとても興味深い曲です。
盗賊度診断・その18
狩猟から帰ってきた盗賊たちは何人いたでしょうか。
ここでセリフの場面となります。ユリアーネはアイマールのスカーフを借り、手に持って城から出てきて階段の所に現れます。盗賊たちに向かいこの城に誘い込まれた一人の騎士を自分が殺したことを告げます。証拠のスカーフを高々と示します。これを見たアデライーデは殺された騎士はアイマールだと思いその場に倒れてしまいます。ロシュルーはとうとうユリアーネも盗賊の女主人にふさわしい仕事ができるようになったことを喜びます。ユリアーネはロシュルーとの結婚を誓います。さらにユリアーネはこの城に必要な水源を地下室で発見したことを報告します。水さえあればこの城は鬼に金棒。どんな敵にも立ち向かうことができます。盗賊たちは大喜び。すぐさま地下室になだれ込みます。後からユリアーネとカミロが従い、地下室に盗賊たちが入ったのを見届け鉄の扉に鍵をかけてしまいます。全員を閉じこめてしまったのです。
卒倒したアデライデは我に返り次の曲を歌います。切々とした旋律は心を打ちます。
そのスカーフはアデライデが戦場に赴くアイマールに贈ったものなのです。
No.19 アリエッタ
「私の思い出を返してください」
盗賊度診断・その19
お気づきでしょうか?この曲の前にNo.18の曲があるはずですが。どうして抜けてしまったのでしょうか?
No.19は欠かせないがNo.18は演奏しなくても良いことになっている。
作曲したが思い通りに出来上がらなかったのでクーラウが破棄してしまった。
クーラウは作曲したがNo.18かNo.19のどちらかを選んで演奏すれば良い。
その時、アイマールが現れアデライデに声をかけます。死んでしまったと信じたアデライデは自分の眼を疑いました。二人は再会を喜び合います。
No.20 二重唱
(アイマール、アデライデ)
盗賊度診断・その20
アイマールはスカーフをどのように身につけていたのでしょうか?
フィナーレ
No.21 三重唱
カミロ、アイマール、アデライデ
そこにアマルリク、兵士、ベルナール、従者、羊飼いたちが火の手が上がっている盗賊の城に到着します。アマルリクは手を取り合っているアイマールとアデライデを見つけると権力を笠に着て自分の求婚の権利を主張します。あわや二人が決闘に及ぼうとしたとき、ユリアーネが現れアマルリクに話しかけます。その声を聞いてアマルリクは死んだと思っていた妻が生きていたことを理解します。すぐさま、自分の求婚の主張をしりぞけアイマールとアデライデの結婚を認め、自分に背いたリシャールとテレーセの結婚を赦します。格好いいような悪いような・・・・
愛し合う3組のカップルは結ばれ
悪は滅び、正義は栄える・・・めでたしめでたし
No.21 フィナーレの続き
合唱、アデライデ、テレーセ、アイマール(喜びを歌に込めて・・・)
幕が降りる
おつかれさまでした。まだ自信がもてない方はもう一度振り出しにもどって勉強してください。