クーラウ・ピアノソナタ全集 全4巻 IFKSから2012年秋出版予定

 クーラウのピアノソナタはピアニスト及び音楽愛好家に知られることなく永らく図書館に眠っていました。それに反してソナチネは世界中の出版社が競って出版し、その収益は計り知れないものがあります。残念ながらソナタはその影に隠され初版だけで忘れ去られてきました。この度IFKS / ハンナ社(月刊誌 [ショパン] ) からソナタ曲集を出版する事になりました。ソナチネ(Op.20, Op.55, Op.88) は含みません。ピアニストのレパートリーになることを期待して-----

編集:インターナショナル・フリードリヒ・クーラウ協会
発売:株式会社ハンナ
編纂:ゴーム・ブスク / 石原利矩

1〜2巻 9月28日 発刊
3〜4巻 10月中旬 発刊

第1巻:Op.6a-1、Op.6a-2、Op.6a-3、Op.4
第2巻:Op.5a、Op.6b、Op.8a、Op.127
第3巻:Op.26-1、Op.26-2、Op.26-3、Op.30
第4巻:Op.34、Op.46-1、Op.46-2、Op.46-3、Op.52-1、Op.52-2、Op.52-3


「ピアノソナタ曲集」の序文より(ゴーム・ブスク)

 クーラウの38曲のピアノのた めのソナタ作品には19曲のソナタと同数のソナチネがあります。ソナチネ(作品20、55、59、60、88)はおよそ200年の間にピアノを弾く人の世 界で有名になりました。この新版「ピアノソナタ曲集」の中に含まれるソナタは殆ど知られていないものですが、少なくともソナチネと同様価値があるものであ り、ですからこの出版は1800年代初頭の古典派からロマン派への移行期のソナタ曲の文献として歓迎されるものとなるでしょう。
 本曲集に含まれるソナタは数の上ではちょうど半数にあたりますが、初期のソナタを詳しく見てみると特にクーラウは長大な作品から始めていることが判りま す。それらの内いくつかは(作品6b、26-1、34、46、52)1800年代になって盛んになった(特にデンマークでの)再版出版で取り上げられまし たが、それ以外の曲は本書が準拠した初版の初めての再版であり、他では求められません。

 クーラウの作品番号が作曲年代順になっていないことにより、本書は全巻を通して作曲年代順に編集しています。Op.6aの作曲年代はクーラウ研究の中で不明となっているものです。Op.127はそもそもOp.16として作曲されたものです。


 全4巻の表紙はクーラウが晩年住んでいたニューハウンの町並みです。

 この絵の中にクーラウが永眠した建物があります。さて----?。


 ニューハウン23番地にある建物の壁にはめ込まれているプレート。

作曲家
フリードリヒ・クーラウ
妖精の丘
1832年ここに居住す

 

 (石原・2012.8.3 記)