12.ヘンゼルト 憂鬱なワルツ 作品36
Adolph von Henselt (1814-1889) ドイツロマン派の作曲家、ピアニスト。
ヘンゼルトの演奏はリストの響きの豊かさと旧師フンメルの滑らかさを兼ね備えていて、リストでさえ「ビロードの掌」と呼んで羨んでいた。30歳代で音楽活動をやめてしまった理由はパラノイア(偏執病)すれすれの舞台恐怖症でコンチェルトの演奏ではソロの直前まで舞台袖で待機していたといわれている。作品番号(Opus)は52までを数えるが練習曲を含めピアノ曲を数多く作曲した。「憂鬱なワルツ」は単独の作品番号を持ち、1857年ロンドンで作曲されたとされる。アゴーギクをふんだんに盛り込むとまるでショパンの作品のように聞こえる。
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