12.ノブロー　グラナダの散策　
Emile René Noblot(1908-1965)
永らく不詳とされていたフルートの名曲｢メロディ｣の作曲家・ノブローの楽譜を手にいれたのは随分昔のこと。しかし、残念なことに｢メロディ｣の楽譜ではなくここに編曲したチェロとピアノのための｢Promenade dans Grenade/グラナダの散歩｣である。ご存知の｢メロディ｣はいろいろなフルートの小曲集に取り上げられている作品で、フルーティストには大変なじみのある曲でありながら作曲家についてはよくわからなかった人物であった。その後、2001年に中山耕一氏によりタニテック社よりAndantino & Finaleが刊行されて｢メロディ｣の事情が解明された。｢グラナダの散歩｣はパリのGallet et Fils社から出版された楽譜(作品番号無し）で、コンセール・ラムルー・オーケストラのチェロ奏者で友人のLéon Bourquinに献呈されている。この曲はグラナダを散策する旅行者が経験する魅惑的なスペインの夜の情景を描いている。そこでは人々は歌い踊り、響き渡るハーモニーに酔いしれ、2/4拍子の個所で回顧する場面で終わる。作曲家ノブローについては今後の研究を期待する。