クーラウ/ピアノ・ソナチネとやさしいソナタ曲集 第5巻 (2018年9月出版)

KUHLAU : PIANO SONATINAS AND EASY SONATAS V
International Friedrich Kuhlau Society Urtext Edition
Edited by Gorm Busk / Toshinori Ishihara

2手用のピアノ全作品出版完結しました。
クーラウ/ピアノ・ソナタ曲集 1〜4(2012年)
クーラウ/ピアノ・変奏曲集 1〜3(2014年)
クーラウ/ロンドとピアノ小品集 1〜3(2016年)
クーラウ/ピアノ・ソナチネとやさしいソナタ曲集 5(2018年)

 2012年にソナタ曲集を出版したときに、ソナチネを含めるかが問題となりました。しかし、ソナチネはいろいろな出版社から出版されていて、求めようとすれば簡単に入手できる状況でした。そこで1〜4巻のIFKS版は絶版になっているものを中心に出版することにしました。そして今回の第5巻で2手用のソナタ/ソナチネ作品が全て出版されたことになります。
クーラウ/ピアノ・ソナチネとやさしいソナタ曲集 5にはOp.20(3曲)、55(6曲),59(3曲),60(3曲),88(4曲)が含まれます。
クーラウのソナタとソナチネの分岐点は非常に曖昧です。クーラウのソナチネと言われるものはOp.20、55、88の3つの曲集です。この中でも、長さ、難易度、規模(楽章の数)は一律ではありません。クーラウのソナタは初期の作品の大規模なものから中期、後期にかけて小規模になっていくのです。Op.20は小規模に移行する最初の作品です。しかし、1819年10月13日付けのブライトコップフ&ヘルテル社に作品と一緒に送った手紙の中で、クーラウ自身はOp.20を小さいソナタ(kleine Sonate)と呼んでいます。
Op.55から教育的配慮が施されています。それは運指付きだからです。そして次の作品Op.59(やさしくて華麗なSonate)にはOp.55に続く作品と位置づけ、所々に運指が付けられています。その後に続くOp.60(難しくないSonate)はOp.55とOp.59に続く作品と位置づけられていて、この3作品の統一感を意図しています。しかし、Op.60には運指は全く付けられていません。
 1827年のある日、クーラウは出版社ローセに以前のOp.55のような作品で至急何かバガテル風(Bagatelle=ピアノのための性格的小品、「ちょっとしたもの」という意味もある)なものを作曲してくれないかと頼まれました。その時、クーラウはオペラ『フーゴとアーデルハイド』を作曲している時だったのですが、一晩の内にOp.88の4曲のソナチネを仕上げてローセに渡しました。これはOp.55のように運指付きとなっています。
 本曲集はクーラウの運指付きということと初版を原典として編集していることに特色があります。1冊の中に上記の5作品がまとまっている楽譜は初めてのことです。

なお、10月25日(木)出版記念コンサートを開催予定です。<クリック

 

 




Updated 2017.8.8